Raspberry pi4 に elementary os 5.1 を入れてみた雑感です.
いつもの通り結論から言うと,
常用はいまのところ厳しそう.グラフィックのアクセラレーションが部分的にしか効かないみたいで,高解像度だとものすごく画面線画が遅いのが致命的!
です.
elementary OS は対応しているの?
まず注意として,elementary OS の正式対応は x86/64 環境だけです.
ただし,elementary OS = ubuntu 18.04 + Pantheonで,ubuntu は Raspberry pi にも対応してますので,Pantheon の部分を頑張れば良いのですが,これを実際にやってくれている方がおられました.
もちろん unofficial なのですが,有り難いことに
に elementary OS の最新 5.1 Hera に対応した img ファイルを提供してくれています.前回の記事
で Raspberry pi4 はクライアント用途としてはそれなりに使えるなぁ……と思ったことを記しましたが,私の場合は使い慣れてる elementary OS がマトモに使えるとものすごく嬉しい訳で,実際に使い物になるかどうかを試してみました.
インストールの手順
Raspbian とほぼ全く同じです.いまだと,上で紹介したダウンロード先から,
- elementaryos-hera-arm64+raspi4.20191223.img.xz
をダウンロード(約1.3GByte)してきて,展開して,SDカードに(Echer か何かで)書き込めば良いだけです.手元にある Linux 端末でやってみた様子は以下の通り.
まず,xz コマンドでダウンロードファイルを展開します.展開後のファイル容量は7.5GByteくらいですから,少なくとも8GByte以上の microSD を用意しておく必要があります.
$ xz -d elementaryos-hera-arm64+raspi4.20191223.img.xz
展開した img ファイルを dd で microSD に書き込みます.
$ sudo dd bs=4M if=elementaryos-hera-arm64+raspi4.20191223.img of=/dev/sdb conv=sync ✘ 1 1792+0 レコード入力 1792+0 レコード出力 7516192768 bytes (7.5 GB, 7.0 GiB) copied, 191.602 s, 39.2 MB/s
あとはこの microSD を Raspberry pi4 に挿し,電源を入れれば elementary OS が起動してきます.起動後の設定等については,元サイトの
に丁寧に解説があります.
使ってみた雑感
かなり完成度は高いです.不具合で落ちたり何かのデーモンがクラッシュして落ちたりすることもないですし,Wi-Fi と Bluetooth もインストール直後から問題なく使えます.しかし,最初に書いた通り,
画面の線画がものすごく重い
です.特に私の場合4Kディスプレイなので,致命的なくらいこれが遅い.解像度を FullHD にすれば少しマシにはなりましたが,実用になるほどではありません.
なお,この問題は提供元も把握しているもののようで,実際,Known Issue に,
- グラフィックは部分的にしかハードウェアアクセラレーションできない
- 4K Video は再生できない
- サウンドの設定は再起動するともとに戻ってしまう
と記されています(私がインストールしたときは書かれてなかったけど,しばらくして追記された).
という事で,この辺りは Ubuntu for ARM の対応待ちですね.
なお,Raspbian ではなくて,Ubuntu for ARM (elementary OS) の利点ですが,Raspbian の場合,未だに32bit環境(armv7)です.Raspberry pi は少なくとも ver. 3以降は CPU は64bit に対応している(armv8)はずで,実際,elementary OS だと,
$ uname -m aarch64 $ getconf LONG_BIT 64
のようになります.
以上!