OpenMediaVault で iSCSI を使う備忘録です.
NAS ディストリビューションである OpenMediaVault ver. 5 で iSCSI を試そうとしたのですが,標準で付属するプラグインには含まれていませんし,また,情報も少なくて,かなり調べないといけなかったので,備忘録として対応のさせ方を記しておきます.
OpenMediaValut Developers Plugin の有効化
まずやらないといけないのは OpenMediaVault Developer Plugin の有効化です.プラグインの元サイトは,
で,書いてある通り,root で,
# wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/packages/raw/master/install | bash
とすれば「システム」の「プラグイン」の Network セクションに
- openmediavault-tgt 5.1.3
として出てきます.後はこのプラグインにチェックをつけて「インストール」を選べばメニューに tgt という項目が現れ iSCSI のターゲットとして OpenMediaVault を使えるようになります.
tgt の簡易的な使い方
簡単な使い方ですが,有効化されると,サービスの tgt に,
- 設定
- Targets
- Images
の3つのタブが出てきますので,まず,Images タブを選択し【追加】をクリックして現れる設定ウィンドウに,
- パス: /srv/dev-disk-by-id-aaa-aaaaaaaaaaaaa-part1/disk1.img
- Image Size: 100
のような感じで入力して【保存】を選択します.パスにある dev-disk-by-id-**** は OpenMediaVault に保存領域としてマウントされているディスクのパスです.また,Image Size は gigabyte 単位です.
次に Targets タブを選択し【追加】をクリックして現れる設定ウィンドウに,
- 名前: ターゲット名(例: iscsi-storage.target0)
- Backing Store: /srv/dev-disk-by-id-aaa-aaaaaaaaaaaaa-part1/disk1.img
- Initiator Address: 接続する Initiator のアドレス(なくても良い)
- 追加オプション: (なくても良い)
のように入力し,設定タブから【有効】を選択し保存すればとりあえずこれで使える状態になります.なお,実際に作られる設定ファイルは以下のようになります.
# cat /etc/tgt/conf.d/openmediavault-00cc000c-ccc0-0ccc-c000-000c0ccc00.conf <target iqn.2021-7.local.omv5:iscsi-storage.target0> backing-store /srv/dev-disk-by-id-aaa-aaaaaaaaaaaa-part1/disk1.img </target>
Windows 10 を Initiator として使う
Windows 10 を Initiator として使う方法の概要は以下の通りです.
- Windows のサービスから「Microsoft iSCSI Initiator Service」を開始
- Window 管理ツールから iscsi イニシエーターを起動
- 探索タブから「ポータルの探索」をクリックし,OpenMediaVault の IP Address を設定
- ターゲットタブの「検出されたターゲット」を「最新の情報に更新」する.
- iqn.2021-7.local.omv5:iscsi-storage.target0 を選択して【接続】する.
なお,OpenMediaVault で iSCSI を有効化したのは,実は iSCSI で作られるイメージについていくつか疑問に感じたことがあったからなのですが,この iSCSI で作られるイメージについての疑問と検証結果についてはまた別の記事でご紹介したいと思います.
以上!