Shanling Q1 雑感です.Amazon の公式ストアは以下の通り.
いつもの通り結論から言うと,
写真からはなかなか分かりにくいですがかなり大きいです.WALKMAN の A100 シリーズ持ち歩くのとあまり変わりません.また,操作性もあまり良いとは思えない
です.
購入動機
購入動機は LDAC 対応 USB to Bluetooth オーディオトランスミッターに興味があったからです.
実は LDAC 対雨 USB to Bluetooth オーディオトランスミッターってあるようであまり製品がありません.私の知る限りだと,
- Shanling M0, Q1
- FiiO M5, M6, M9, M11
- HiBy R3Pro, R2
くらい.全部中華メーカー.また,全ていわゆる DAP(モバイルオーディオプレーヤー)の機能の一つという位置付けです.当然どれも(少なくとも新品は)気軽に買えるお値段ではないので,興味はあるけど……という状態でした.
ところがある日,完品が中古で非常にお安く販売されている(いくらかは書きませんが)のを見つけたので,この価格ならいいかな,と思って購入した訳ですね.
製品の仕様概要
製品の仕様の詳細については,製品ページ
を見ていただければと思いますが,特徴としては,
- 見た目がポップな感じでさまざまな色がある.
- コンパクト
- MicroSD 対応
- USB-DAC 機能あり(192kHz/24bit PCM)
- DSD音源対応
- Bluetooth トランスミッター/レシーバー機能あり
- LDAC, AAC, SBC(送受信対応), aptX(送信対応)
- DSD
- WiFi 対応(Airplay, DLNA, ファイル転送)
- USB-C 対応
対応と要するに,ある意味
できないことはない
製品です.なお,パッと見た感じだと Sony の WALKMAN NW-A55 シリーズと(Wi-Fi 対応を除き)同じような感じがしますが,NW-A55 は多機能だけど機能が排他
なので全く比較にはなりません.と言うことで,きちんと動くのなら(音質の違いは置くとして),1台持っておいても良いよなぁ……って感じる訳ですね.
開封の儀
製品のパッケージは以下の通りでした.非常に高級感のある小さめの箱が使われていました.小さめの和菓子の箱のような作りですごく製品が取り出しやすいですし,収納しやすいので個人的にはすごく良いパッケージングだと思いました.
箱の中に入っていたものは以下の通りです.説明書と保証書,充電とデータ転送用の短めの USB-C ケーブルと本体,そして驚いたことに(多分シリコン製の)専用カバーが含まれていました.
製品本体の様子は以下の通りです.独特な丸っこい四角な形状と色使いはかなりポップな感じですが,作りが良いことから,それなりの高級感も感じます.製品デザインと作りについてはかなり所有欲を満たしてくれる製品だと思いました.
利用雑感1(本体の使い勝手)
利用する前の注意として,本製品,Mtouch OS なる独自 OS が採用されていて,どの ver. を使うかによってできることがかなり変わってきます.と言うことで,最初に,
の手順に従い,最新のファームウェアにアップデートを行いました.
そしてこれ, MicroSD カードにファームウェアファイルを書き込んで行うのですが,まず,感じたのは,
ものすごく MicroSD カードを挿しにくいし,取り出しにくい
です.
まぁ,持ち運び用の音楽プレーヤーなので,そう簡単に MicroSD が外れないようにするためにこうなっているのだと思いますし,512GB の MicroSD 認識するようなので,1度挿せば取り外さないので実害はあまりないのかも知れませんが,ちょっとどうかなと思うくらい挿しにくいし取り出しにくい.
また,本製品,実際に使ってみると,大きさについての利用感は Sony NW-A55 や iPod Touch なんかとあまり変わりません.つまり小型DAPではあるけど超小型DAPではない.製品ページの写真を見るとものすごく小さい感じがしますが,実はそうではない.と言うか,かなり厚いので,下手をすると iPod Touch より携帯性はよろしくない.
と言うことで,まぁ総合的には本体の使い勝手はホドホドだと思います.
利用雑感2(操作画面の使い勝手)
次に本製品の独自OSである MTouch OS ですが,起動画面や充電画面はかなり高級感のある雰囲気
なのに,起動後のアイコンのデザインは正直本体の外観のポップな高級感と合ってない感じがするのが少し残念なところです.
次に画面の操作感ですが,タッチスクリーンと向かって左側面に3つのボタン,右側に押し込むことができるダイヤルキー(ダイヤルキーの長押しで電源ON/OFF)で行うのですが,正直,タッチでスイスイ動くという感じはしません.何か引っかかる感じの動作です.これはタッチスクリーンの調整が十分でないのか CPU の処理能力の問題なのか分かりませんが,かなり気になる.
じゃあ,側面にあるダイヤルキーとボタンで操作できるのかと言われると,ボタンを使ってできる操作はそんなに多くない.音量と曲の再生/停止/前・後移動程度で,やっぱりタッチで操作しなきゃならないところが多い.
と言うことで操作感については,(以前使ったWALKMANなんかと比べると)イマイチだなぁ……という感じ.
じゃあ,操作のわかりやすさはどうかと言うと,最初はチョット戸惑いますが,まぁ,こんなものかなという感じ.機能の ON/OFF は,画面を上から下(だったと思う)にスライドして現れる
のような画面にまとめられていてスマホちっくですし,細かな設定は「再生設定」画面
からメニュー形式でできるようになっています.ただし,以下を見ての通り項目数はそれなりに多くて,説明もあまり詳しくないので,使いやすいとまでは言えないと思います.
利用雑感3(音質)
次に音ですが,正直これは良く分かりません.普通に良い音だと思いますし,SBC でつないだときと LDAC でつないだときは明らかに LDAC の方が良い音だと感じる程度です.まぁ,あえて言うとするとドンシャリ系ではなくナチュラルな感じの音がしますが,イコライザーが搭載されているので,好みでなければ調整すれば良い訳で……この点については特に問題は感じなかったです.
利用雑感3(追加機能)
最後に本製品の特徴であるさまざまな機能ですが,まず,Bluetooth オーディオトランスミッターとして使う分には余計な制限(USB-DAC 機能と排他とかいうことはない)はありませんし,安定して使えますし,使いやすいというほどではないですが,実使用に全く問題はありません.
しかし,Airplay と DLNA,特に DLNA についてはかなり微妙です.Airplay についてはなかなか Mac から認識されませんでしたし,DLNA はなかなか認識されないだけでなく,かなり不安定で,この機能を目当てに買うのは危険だなぁ……と思います.
なお,本製品を USB-DAC として使うときは Mac とか Linux とかだとつなぐだけで OK ですが,Windows の場合は専用ドライバー
が必要です.面倒ですがこれは仕方のないところでしょうかね…….本製品,基本的にはUAC2 のオーディオデバイスとして認識されるのだと思いますが,Windows の UAC2 のドライバってかなり癖があるからです.
と言うことで,この追加機能については完璧ではないけどまぁ用途によっては使えるという感じでしょうか.
利用雑感のまとめ
と言うことで,私が興味のあった,USB to LDAC 対応 Bluetooth トランスミッターとしては使える……けれど,少し大きくて持ち運びにくいのが難点だなぁ……が結論なのですが,残念ながら本製品,現在は手元にありません.
と言うのも,どうも私が手に入れた個体,電源周りに問題を抱えていたようで,特定の角度からの衝撃を与えると再起動して,おまけに設定も全て飛んでしまう症状持ちでした.
この衝撃,人差し指のヒラでポンと叩くくらいでもダメなくらいで,さすがに持ち運び前提の機器としては全く使い物にならない(し実際に持ち運び始めてすぐに気が付いた)訳で,製品販売元にその旨申告したところ,無事返品と相成りました.
まぁしかし,USB to LDAC 対応 Bluetooth トランスミッターとしては少なくとも自作の
に比べれば(当たり前ですが)良いこと(逆に言えば自作のものと市販のものでどの程度の差があるのかが)が確かめられたのは良かったかなと思っています.
以上!