UQ Wimax WX01 をトラベルルーターとして使ってみた雑感です.
いつもの通り結論から書くと,
トラベルルーターとしては非常に安価,かつ高性能なのでオススメ!
です.
UQ Wimax WX01 って?
NEC 製の Wimax/Wimax2+ 対応モバイルルーターです.
Wimax2+対応なのでモバイルルーターとして今でも使えはするのですが,2015年発売ですでに7年も経っていて今なら5G対応のものを使ったほうが良いですし,この類のものって回線契約と合わせて購入することで非常に安価に手に入りますのでいまさら Wimax 用として使うのもかなり微妙です.
しかし本製品,いまでもトラベルルーターとして使うのならいまでもとても良い選択のように思います.と言うことで,まずはトラベルルーターとは何ぞや? から記したいと思います.
トラベルルーターとは?
トラベルルーターとは,
ホテルとかでネットを使いやすくするためのルーター
のことです.
最近はホテルにしろその他の宿泊施設にしろネット接続対応してるのが普通です.また,人が集まるところだとフリーの Wi-Fi スポットや携帯キャリアが運営している Wi-Fi が使えるところが多いです.
とは言え,そういう回線って,
- 複数台つなげるの面倒
- 安全かどうか不安
- 普通は接続端末間で直接通信できない
- つなげられない機器がある
という問題点があります.そしてこれらの問題,ルーターがあればある程度解決することができます.つまり,使う機器はルーターに接続し,ルーター経由でホテル等のネットワークを利用してやれば良いわけです.
さて,もちろんこのような用途向けのルーターってあまり多くはありませんが,市販されているものがあります.既に販売終了となっていますが,私の場合は,NEC Aterm W500P
を使っていましたし,現在手に入るものとしては Buffalo のWMR-433W2
なんかがそうなんですが,実際に使おうとすると,いくつか困ることがありました.
トラベルルーターで困ること
市販のトラベルルーターで何が困るのかと言われると,
- バッテリー内蔵ではなく外部電源が必要
- Wifi を WAN 側にできない(ものが多い)
- 802.11ac に対応していない(ものがある)
なことです.
トラベルルーター,コスト削減のためでしょうか.外部電源が必要なものしか見当たりません.もちろん USB で給電できるようにはなってはいますがバッテリー稼働と比べると設置の自由度にかなり劣ります.また,802.11ac に対応していないものも多い.これは恐らく USB 5Vの給電ということであまり電力消費増やせないからだと思います.そして Wifi を WAN 側にできない(もしくはできるかどうか製品説明だけでは分からない)ものがほとんどです.
最近,ホテルなどでは無線によるネット接続環境提供しているところが増えている(と言うかほとんど)ですし,外だと無線の提供しかほぼありません.だからWAN側もLAN側もWiFiで接続できないと困るんですが,これに対応しているものがほとんどありません.
実際,トラベルルーターとして現在販売されているものだと,プラネックスの「ちびふぁい3」
ならば対応しているようですが 802.11ac には対応しておらず,それ以外だと対応しているのかしてないのかよくわかりません.逆に言えば,私の場合は所有していた NEC Aterm W500P はバッテリー内蔵ではないこと以外は大丈夫だったのですが……どこに行ったか分からない……多分どっかに起き忘れたんだと思います.
WAN側 Wifi 対応モバイルルーター
と言うことで,W500P の代わりを探していたんですが,上で書いた通り W500P すでに終売しています.かと言って,トラベルルーターとしていま売っているもので W500P の代わりになるもの見つかりません.
仕方ないので,モバイルルーターまで範囲を広げて探すと,以下の製品群が WiFi をWAN側にできるらしい.ただし私が実際に確認したのは NEC の WX01 と Google Pixel 3a だけなのでご注意ください.
- docomo SH-52B
- NEC Aterm MR05LN
- NEC Aterm MR04LN
- NEC WX01
- NEC NAD11
- Huawei W01
- Huawei HWD15
- Huawei HWD14
- NEC PA-WM3800
WX01 以降の Wimax ルーターからはどうもこの機能削除されているらしい.あと最近だとスマホのテザリング機能をモバイルルーター代わりに使うことも多いと思いますが,テザリングで Wifi を共有できるものもあるようで,ググって見た限りでは,
- Google Pixel シリーズ(実際に試したのは 3a だけなことに注意!)
- Huawei の一部機種
- Galaxy S8+
- Galaxy S7 edge
あたりだと使えるらしいです.
WX01 をトラベルルーターとして使てみる
さて,じゃあ実際に使うものとしてどれにするのかなのですが,理想はモバイルルーターとトラベルルーター兼用で使えて 5G かつ Wifi6 に対応している SH-52B でしょう.しかし,どんなに安くても3万円以上とそう簡単に手が出る価格じゃありません.
その点,WX01 なら,まず何と言っても安価です.クレードルまで含めて1000円くらいの価格で見つかります.充電池は取り替え可能ですし,microUSB にはなりますが USB で給電できます.5GHzと2.5GHzに両対応,もちろん 802.11ac にも対応していて,クレードルがあればアクセスポイントにもなり,ホテルなどで有線LANでネット接続を提供している場合にも使えます.トラベルルーターとしてはほぼ理想的な条件を満たしています.
実際,使ってみると,接続する Wi-Fi は全8ヶ所設定でき,範囲内であれば自動的に接続されます.
自宅で試した限りだと,WX01から自宅アクセスポイントへの接続も,PCからWX01への接続も両方ともに5GHzの802.11acで接続されており,上下速度が100Mbps超えるので十分実用的です(もちろん WX01 を経由しない場合はもっとスピード出ますのでかなり速度低下することは確かですし,接続台数が増えるとさらに遅くなると思います).
また,モバイルルーターらしく休止状態をサポートしていますので,W500P のときと比べて素早く使い始めることができますしスマホアプリで起動させたり本体の設定を変更することもできます.また Bluetooth 経由の接続もできます.
もちろん全く注意や欠点がないとは言えません.
まず注意が必要なこととして,対応SIM(解約済みのもので良い.私の場合は以前 Xperia XZs で使っていた au の SIM が使えた)があるか無いかで本体のボタンが使えるか使いないかが変わることです.
対応SIMがある場合は本体のボタンを使うことで,
- LAN側WiFi/Bluetooth切替
- Bluetooth デバイス名・リモート起動デバイス名・電池残量%表示
- 無線LANのSSIDとパスワードの表示
- リモート起動ON/OFF・通信量表示ON/OFF・暗号化強化・再起動・初期化
- 省電力モード切替
- らくらく無線LAN/WPS
- ファームウェア更新
などができますが,対応SIMがない場合はWebの管理画面からしか設定を変更できません(この場合はPCとUSB接続すれば http://192.168.179.1 にアクセスする.管理画面へのログインは多分 admin/admin です).
また,残念ながら全ての無線LANアクセスポイントに接続することができる訳ではありません.無線LANのセキュリティとして WPA2 までにしか対応していませんし,接続できるのは WEP か WPA/WPA2 の SSID とパスワードで接続できるものだけであり,企業向けの 802.1X 認証などには未対応です.また,ステルス状態のアクセスポイントにも未対応です.さらに,アクセスポイントとしても WPA2 までの対応なので,iPhone などで利用すると脆弱なアクセスポイントと表示されちょっとうざったいです.
特に私の場合,仕事の関係で WiFi への接続が802.1X認証になっているところもあってそこで使えないっていうのがかなり残念なところです.しかし,モバイルルーターで 802.1X 認証に対応しているもの自体が多分ないのでこれは仕方のないところでしょう.802.1X 認証のところでも使いたいのなら pixel 3a あたりを使うしかないのではないかなと思います.
しかし,少なくとも以前の Aterm W500P よりもかなり便利にはなってますし,出先のWi-fiに WX01 で接続できれば持っていっている機器がまとめてネットにつながるってのはやはり便利です.5G とか LTE 経由でつなぎたい場合は WX01 でスマホのテザリングを利用すれば良いだけですしね.1000円投資する以上の価値は十分にあると思います.
以上!