XikeStor SKS3200-8E1X 2.5G スイッチ VLAN 備忘録です.
XikeStor SKS3200-8E1X 2.5G スイッチの少し癖のある VLAN 設定についての備忘録となります.スイッチ全体の雑感については以前の記事
をご覧ください.
SKS3200-8E1X の VLAN 仕様
まず,このスイッチの VLAN の仕様ですが,これはもう設定画面をそのまま見てもらった方がわかりやすいと思います.
見ての通り,まず,VLAN Setting として,VLAN を定義するところがあり,その下に Port VLAN という各ポートにどのように VLAN を割り当てるかを設定するところがあることが分かります.
この Port VLAN という名前だけ見ると,ポートベース VLAN にしかスイッチが対応していないと勘違いしそうになるのですが,実は設定画面
を見ると,ポートごとにまず,Port vlan type で,Access と Trunk を設定し,
- Access を選んだ場合は,Access VLAN でポートが所属する VLAN を選択する
- Trunk を選ぶと,Native VLAN と Trunk VLAN で,ポートが所属する VLAN と Trunk する VLAN を選択する
という形になっています.つまり,ポートベース VLAN に対応しているだけでなく,VLAN タグも処理できます.ただし,
Native VLAN と Trunk VLAN は両方ともに必ず設定が必要!
です.
ここで Native VLAN とは何かというと,ポートが所属する VLAN のことです.他のメーカーだと,PVID と同じもの(厳密に言うと違うのかもしれませんが,実質的には同じ)です.
つまり,本スイッチは,
- ポートベース VLAN に対応
- 802.1q ベース VLAN に対応
ですが,
tag 付きのパケットのみの受け入れはできない
という仕様に(少なくとも firmware ver. 2.0.9 だと)なっています.
タグ VLAN の設定例
HP ProCurve 1800
HP ProCurve 1800 の場合は,PVID の設定が行えるので,素直に,PVID の設定を本スイッチの Native VLAN と同じにすればよいだけです.なお,HP に限らず,PVID が設定できる場合は同じはずです(Netgear のスイッチでも試しました).
したがって問題となるのは,PVID もしくは Native vlan が設定できないスイッチです.
NEC IX
NEC の IX は PVID の設定が(少なくとも明示的には)できませんが,この場合でも以下のように設定することで問題なく通信ができます.
XikeStor SKS3200-8E1X の1番ポートと NEC IX との間で VLAN ID 100, 101 のタグ付きの通信を行いたいとします.NEC IX の対向のポートは GigaEthernet2:4 です.NEC IX のVLAN の設定の仕方と考え方については,
をご覧ください.
この場合は,まず,XikeSotr SKS3200-8E1X の1番ポートのVLAN の設定を
- Port vlan type: trunk
- Native VLAN: VLAN 1
- Trunk vlan: VLAN 100, VLAN 101
とします.
対向の NEC IX の設定は以下の通りです(今回の話に無関係の設定は省略).
interface GigaEthernet2:4.0 no shutdown ... interface GigaEthernet2:4.1 encapsulation dot1q 100 tpid 8100 no shutdown ... interface GigaEthernet2:4.2 encapsulation dot1q 101 tpid 8100 no shutdown ...
つまり,
Native VLAN に対応する設定として GigaEthernet2:4.0 を有効化 (no shutdown) して,VLAN の指定のないフレームの通信が通るよう設定すれば良い
訳ですね.
XikeStor SKS3200-8E1X のように PVID の設定が必ず必要ってスイッチも珍しいのではないかと思いますが,逆に,NEC IX のように PVID の設定が(少なくとも明示的には)できないスイッチってのも珍しいのではないかなと思います.だから,これら2つの機器を接続してタグ VLANを使うなんてことが必要になる場面がどれだけあるのかかなり疑問ではあるんですけどね.
以上!