OBSBOT Tiny 4k 雑感と備忘録です.Amazon の商品ページは以下の通り.
まずはいつもの通り結論から記すと,
4K UVC カメラですし,基本機能はジェスチャーで何とかなるので USB 接続できるほぼどんなデバイスでも使えるのがとても良い!
ところだと思います.
OBSBOT Tiny 4K とは?
人を追跡しながら撮影してくれる 4K 対応AIウェブカメラ
です.開発は中国 REMO TECH で,商品元サイトは,
です.価格は3万円台前半なので,Logicool や Cisco などの 4K ウェブカメラよりだいたい1万円程度,中華な 4K ウェブカメラだと1万円以下で見つかるので3倍以上のお値段です.と言うことで,4K ウェブカメラとして見れば相当に高価ですが,2軸のジンバルが搭載されていて,AIで人を認識して自動で追っかけるってカメラなので,総合的に考えるとかなり安いと思います.
4K ウェブカメラですが,撮影できるのは 4K 30fps まで.60 fps には対応していません.1080P なら 60fps で撮影可ですが,この辺りについてはもう少し詳しく以下に記します.
購入理由
Web 会議のときに私を追いかけて欲しかったからなのと,4K に対応したウェブカメラをそろそろ1台確保しておきたかったからです.特にホワイトボードを使って説明するときに,いちいちカメラの角度を切り替えるためにPCを移動させるの面倒だったので,これが自動化できれば良いなぁ……というのが購入理由です.
開封の儀
商品パッケージは以下の通りかなり綺麗な紙箱でした.製品価格に見合う見た目だと思います.
箱を開けると……赤い箱が現れて,その中に説明書と持ち運び用のバックが入っていました.
持ち運び用の収納ケースには見ての通り小さな赤いロゴが上面中央にありますが,それ以外には特に何も記されておらず,非常にシンプルかつ綺麗.
この収納ケースを開けると,以下のような感じで製品が付属品と収められていました.
本体以外の付属品は以下の通りです.
- USB-C to USB-C ケーブル1.5m
- USB-C to USB-A 変換アダプター
- USB-A to DC 給電ケーブル
- マニュアル
- 保証書
- マグネット台(本体をディスプレイの上に固定するためのもの
本体の様子は以下の通り,背面に USB-C のポートと給電用の DC ポートがある手のひらの上に乗るサイズ(重さ約150gらしい)でした.見た目も決して悪くはなく,十分お値段相応な感じを受けました.
簡単な使い方
UVC 対応のウェブカメラなので,USB で PC などのデバイスとつなぐだけですぐに使えます(初期状態は FullHD の 30fps です).また,自分にターゲットを合わせるには,自分の顔の横に手のひらを指を揃えて並べてこのカメラに撮せばよいだけです(ターゲットを切るのも同じ方法).認識時間は5秒程度でしょうか.
拡大(4倍)・縮小もジェスチャーで指定できます.親指と人差し指をLの字の形にしてカメラに撮し,顔の横まで引けば拡大,逆に顔の横からカメラに寄せれば縮小です.
きちんと認識しているかどうかは,カメラのすぐ下の LED の光り方でわかります.
- 青3つ規則的に点滅:初期化済み
- 青が1つづつ点灯したあと全点灯:ジェスチャーを正常認識
- 緑中央点灯:追跡対象指定なし
- 緑3つ点灯:追跡対象あり
- 黄3つ点灯:追跡対象を見失い
- 青・黄点滅:アップグレード中
- 赤3つ点滅:アップグレード失敗
- 赤3つ点灯:製品異常検出
したがって,基本的な機能を使うだけなら特に専用の操作ソフト等は必要ないのでとても手軽ですが,逆に言えば,
- 人ではなくペット等を追いかける
- 複数の人を簡単に切り替える
などはできないです.また,ターゲットを認識させる際はもちろん追いかける人以外は写らないようにしないとダメです.
いったん認識されればその後はそう簡単にはターゲットが外れないです.一瞬見失っても範囲内に戻ればすぐに認識し直されます.十分実用的.ただし,ゆっくり歩くくらいの速度で移動しないと人の動きにカメラの移動が追いつかないので,このカメラの周りを激しく運動する様子を撮影するなんてことにはさすがに対応できないと思います.
専用ソフトウェア
上に書いた通り,使うだけなら特に専用アプリは必要はないのですが,細かな調整を行うには必要です.そして驚いたことに本製品,スマホ用のアプリがどうも用意されていません.macOS と Windows 用のアプリのみです.
以下できることがすぐに分かるようアプリ画面をキャプチャーしたものを載せておきます.なお,アプリの上部にあるボタンは,左からそれぞれ以下の通り.
- プレビュー(4枚目の画面を出すボタン)
- 電源
- リモコン(別売り)
- ショートカット(6枚目の画面で設定)
- バーチャルカメラ(複数カメラをPCに認識させる機能らしい.要ソフト対応)
- osc (tinyOSC なる外部コントローラー規格に対応しているらしい)
仮想カメラ機能なんかは「へー」という感じですね.時間があれば試してみようと思っています.
撮影可能形式等について
本製品が対応している撮影可能形式等については Linux の v4l2-ctl の情報を載せておきます.
> lsusb ... Bus 001 Device 016: ID 3564:fef4 Remo Tech Co., Ltd. OBSBOT Tiny 4K ... > v4l-ctl -d /dev/video2 --list-formats ioctl: VIDIOC_ENUM_FMT Type: Video Capture [0]: 'MJPG' (Motion-JPEG, compressed) Size: Discrete 640x360 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 960x540 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 1280x720 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 1920x1080 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 3840x2160 Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) [1]: 'YUYV' (YUYV 4:2:2) Size: Discrete 640x360 Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Interval: Discrete 0.100s (10.000 fps) Interval: Discrete 0.200s (5.000 fps) Size: Discrete 640x480 Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Interval: Discrete 0.100s (10.000 fps) Interval: Discrete 0.200s (5.000 fps) Size: Discrete 960x540 Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Interval: Discrete 0.100s (10.000 fps) Interval: Discrete 0.200s (5.000 fps) Size: Discrete 1280x720 Interval: Discrete 0.100s (10.000 fps) Interval: Discrete 0.200s (5.000 fps) Size: Discrete 1920x1080 Interval: Discrete 0.200s (5.000 fps) Size: Discrete 3840x2160 Interval: Discrete 1.000s (1.000 fps) [2]: 'H264' (H.264, compressed) Size: Discrete 640x360 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 960x540 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 1280x720 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 1920x1080 Interval: Discrete 0.017s (60.000 fps) Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) Size: Discrete 3840x2160 Interval: Discrete 0.033s (30.000 fps) Interval: Discrete 0.042s (24.000 fps) Interval: Discrete 0.050s (20.000 fps) Interval: Discrete 0.067s (15.000 fps) > v4l-ctl -d /dev/video2 -L User Controls brightness 0x00980900 (int) : min=0 max=100 step=1 default=50 value=50 contrast 0x00980901 (int) : min=0 max=100 step=1 default=50 value=50 saturation 0x00980902 (int) : min=0 max=100 step=1 default=50 value=50 hue 0x00980903 (int) : min=0 max=100 step=1 default=50 value=50 white_balance_automatic 0x0098090c (bool) : default=1 value=1 red_balance 0x0098090e (int) : min=0 max=0 step=0 default=0 value=0 flags=inactive blue_balance 0x0098090f (int) : min=0 max=0 step=0 default=0 value=0 flags=inactive gain 0x00980913 (int) : min=1 max=48 step=1 default=1 value=1 power_line_frequency 0x00980918 (menu) : min=0 max=2 default=3 value=3 0: Disabled 1: 50 Hz 2: 60 Hz white_balance_temperature 0x0098091a (int) : min=2800 max=6500 step=100 default=5000 value=5000 flags=inactive sharpness 0x0098091b (int) : min=0 max=100 step=1 default=50 value=50 backlight_compensation 0x0098091c (int) : min=0 max=18 step=1 default=9 value=9 Camera Controls auto_exposure 0x009a0901 (menu) : min=0 max=3 default=0 value=0 1: Manual Mode 2: Shutter Priority Mode exposure_time_absolute 0x009a0902 (int) : min=1 max=2500 step=1 default=330 value=330 flags=inactive pan_absolute 0x009a0908 (int) : min=-468000 max=468000 step=3600 default=0 value=0 tilt_absolute 0x009a0909 (int) : min=-324000 max=324000 step=7200 default=0 value=0 focus_absolute 0x009a090a (int) : min=0 max=100 step=1 default=0 value=0 flags=inactive focus_automatic_continuous 0x009a090c (bool) : default=1 value=1 zoom_absolute 0x009a090d (int) : min=0 max=100 step=1 default=0 value=0 zoom_continuous 0x009a090f (int) : min=0 max=100 step=1 default=100 value=0 pan_speed 0x009a0920 (int) : min=-1 max=160 step=1 default=20 value=0 tilt_speed 0x009a0921 (int) : min=-1 max=120 step=1 default=20 value=0
画質について
正直画質についてはあまりこだわりがないので良い悪いは分からないのですが,Web会議等に使うのに十分な画質はあります.私の持っている機器と比べると,FullHD だと,
- Macbook pro 2017 の FacetimeHD より良い
- Macbook Air M2 の FacetimeHD よりは落ちる
という感じでしょうか.固定画角で良いのなら Macbook Air M2 のカメラをそのまま使った方が簡単だし使いやすいし画質も良い,けれど本製品のカメラだと追いかけてくれるからなぁ……という感じになる.と言うか,これは Macbook Air M2 のカメラが良すぎるんだと思います.びっくりするくらい逆光に強くて使いやすいですからね(マイクの音質も非常に良い).
一応,以下に本製品で撮影した写真を掲載しておきます.雨模様の曇り空のお昼間に部屋の蛍光灯の灯りの下,FullHD で撮影したものです(画像容量を削減するため png を jpg に変換していますが,どんな雰囲気の画質なのかくらいなら分かると思います).
製品雑感
使用を始めて約2ヶ月ほどになりますが,
十分価格なりの価値がある!
製品だと思います.自分を追いかけてくれるので,ホワイトボードとPCを行き来しながら会議をしてもガチャガチャせずスムーズにできるのはとても便利です.
とは言え,本製品,外付けの製品なので,やっぱり設置は面倒.固定画角で良いのなら素直にノートPC付属のカメラを使った方が簡単だし,最近のノートPCって FullHD のカメラを載せていることがほとんどなので,画質もそれで十分なことが多いです.
と言うことで,本製品,買うかどうかは,やっぱり,
自分を追いかけてくれるカメラが必要かどうか!
で決めるべきものです.逆に言えば,必要なら他の選択肢はないと思います.学校の先生や塾の先生で黒板やホワイトボードを多用する人には良いんじゃないかな.確か Sony からも同コンセプトのカメラ出ていますが,これは業務用で恐らくかなり高価なので個人で買えるようなものではないと思いますしね.
ところで本製品のホームページを見ると,どうもすでに次世代機種が発表されているようで……OBSBOT TINY 2 だそうで,画質がさらに良くなりフォーカス速度も向上するのは羨ましいですねぇ.できることもだいぶ増えそうですが,逆に言えば操作が難しくならないか心配です.本製品使い始めたばかりなのでさすがに買えないのが残念です.
以上!