Windows 10 でクライアント Hyper-V 雑感

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photo credit: Windows 10 via photopin (license)

Windows 8.1 のクライアント Hyper-V で動かしていた色々な仮想マシンを Windows 10 のクライアント Hyper-V 上に乗せ換えてみた雑感です.単に乗せ換えただけなのですが,

仮想マシンの動作が以前より軽快,かつよくわからない不具合が色々解消されました.

ということで,今回余ったマシンで,マイクロソフトさんが大盤振る舞いしてくれた Windows 7 ⇒ Windows 10 のライセンスを使いましたので,ほとんど費用は掛かっていないということもあり,非常に満足です.まずはこの辺りから説明したいと思います.

動作速度の改善について

運用機器は次の通りで,仮想マシンの構成バージョンは ver.5 から ver.8 にアップデートしています.

  • 移行前:Thinkpad T410 Core i5-540M 8GB SSD256GB (Windows 8.1 Pro)
  • 移行後:Thinkpad X220 Core i5 2540M 8GB SSD 256GB (Windows 10 Pro)

見ての通り移行前と移行後のマシン性能はそんなに変わりません.しかし,細かく測定はしていないのですが,移行後の仮想マシンは色々な点でかなり動作が軽快に感じられます.仮想マシンとしては,Linux 系のものが3つと,自作機上で動かしていた Windows 7 を P2V したものの4つなのですが,どの仮想マシンについても同様です.

ネットワークに係る不具合の解消

また,意外なことに,これまで原因が良く分からなかったネットワークの不具合が全て解消しました.

実は,我が家では,この Thinkpad で動かしている Hyper-V 上の仮想マシンで DNS, DHCP, ファイヤーウォールなどのネットワーク系のサービスを動かしています.何でそんな面倒なことを…と言われそうですが,色々やっているうちに何故かこうなってしまいました(もちろん趣味と言われればその通り!).

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この辺りの事情については,上の2つの記事の続きとして近いうちに紹介しようと思っていますが,これまで,何故だか DNS が引けなくなったり,ルーティングがおかしくなったりすることがありました.特に IPv6 が絡むところがおかしかった.

機会があるごとに原因を探っていたのですが,よくわからず,まぁ多くの場合使えるからいいか,と2年ほど使ったのですが,今回,Windows 10 の Hyper-V 上に仮想マシンを乗せ換えると何故だか全て解消してしまいました.

上の記事を見て分かる通り,自宅でタグ VLAN やら何やら使って複雑なことをしていますので,何か設定で不味い部分があるんだろうとずっと思っていたのですが,どうもそういう問題では無かったようです.

移行の手間について

Windows 8.1 の Hyper-V からエクスポートして,Windows 10 の Hyper-V にインポートしただけです.「仮想スイッチマネージャー」で仮想スイッチの名前と設定さえ一致させておけば,あとは,「インポートの種類の選択」で,「仮想マシンを復元する(既存の一意なIDを使用する)」を選ぶ以外は標準設定のままで何もしなくても仮想マシンが復元されます.

仮想スイッチの名前が一致していなくても,インポートの途中で,どの仮想スイッチにつなぐのかを聞いてきますので,その時点で正しく設定すれば良いだけなので,拍子抜けするほど簡単です.

仮想マシンですので,それなりの容量があるため,インポート,エクスポートにそれなりの時間がかかりますが,小一時間で合計容量が約70GBの仮想マシンを移行を終えることが出来ました.ほどんど手間なしで移行できてしまい,正直,拍子抜けです.

アクティブ時間について…はちょっと困る

ということで,全体としては非常に満足しているのですが,困った点が全くない訳じゃない.やっぱり Windows Update の不定期な配信と配信後の強制再起動がいつ行われるか分からないのは自宅用とは言え,ネットワークを支える基本サービスを動かすマシンとしては困るんですよね.

もちろん,「設定」⇒「更新とセキュリティ」の「更新状態」にある「アクティブ時間の変更」で,再起動してはいけない時間帯を設定できるのですが,これ,最長12時間まで,しかも,複数の時間帯を設定できない.

昼間の仕事に出かけていていない時間帯にのみ再起動してほしいのですが,これは設定できない.こういうことをやるのなら Windows Server を買え,ということなんでしょうが Windows Server を自宅用に購入するのはさすがにねぇ…

CentOS 7 への対応も…ちょっと残念

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に書いた通り,CentOS 7 を Hyper-V の第2世代仮想マシンとして利用すると,起動時に

  • tsc: fast TSC calibration failed
  • i8042 No controller found
  • PCI: Fatal: No config space access function found

というエラーが表示されます.実害が無いとは言え,気持ち悪いので修正されていると嬉しかったのですが,残念,これはそのままです.まぁ,これは CentOS の問題なのかも知れないのですけどね(調べてないのでよくわかりません).

と言うことで結論

と言うことで,結論は,アクティブ時間さえ我慢できるなら Windows 10 の Hyper-V の方がはるかにおススメです.用心して1年以上様子を見ていましたが,こんなことならもっと早くやれば良かった.

あと Hyper-V と言えば,RemoteFX はちょっと気になっています.どうも Enterprize 版の Windows でなければいけないようなのですが,90日お試し版がありますので,時間のあるときにでも試してみようと思います.

 

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