最近,Windows10 のシステムフォントが汚いという記事をよく見るのですが,個人的には違和感を感じてしまうんですよね…
論より証拠だと思うので,以下をご覧ください.私のメインマシンの Windows10 のマイコンピュータの部分です.
言われるほど汚くはない.
「そんははずは無い.例えば『ここ』なんか見ると確かに汚い!何かしてるはず」と言われそうですが,その通りです.ただし,システムフォントを入れ替えている訳ではありません.
実は,デスクトップで右クリックして現れる「ディスプレイ設定(D)」から,「テキスト、アプリ、その他の項目サイズを変更する」を 150% にしているだけです.
自宅は4Kディスプレイなので,150%位にしないと色々小さすぎて見辛いからこうしているのですが,120% でも,もっと大きく 200% でも綺麗です.要するに dot by dot の 100% が汚いと言われている訳です.
Windows10 のシステムフォントは「游ゴシック」で,これは有限会社字游工房の製品が基になったフォントのようです.字游工房が係った代表的なフォントは,この他に「ヒラギノ」がありますが,これは MacOS に採用されている美しい(とよく聞く)フォントです.
で,私なんかからすると,游だのヒラギノだのモリサワなどと言うのは,写研(日本の商業印刷用書体のデファクトスタンダードだった)の流れを汲む,綺麗な憧れのフォントで,昔だと(あぁ,年齢がばれそうだ)こういうフォントが載せられているプリンタは値段が高くて(下手すると簡単に軽自動車1台分)買えないものでした.
要するに,Windows10 のフォントが汚いのではなく,dot by dot の場合のレンダリングが不味い訳です.でもこれは時間が経つと解決することではないかとも思う.
何故かと言うと,Microsoft の Surface などの仕様をみればわかりますが,画面解像度が高くなりつつある(所謂HiDPI).HiDPI環境では,とてもではないが dot by dot なんて字が小さくなりすぎて使ってられない.だから,将来的には dot by dot はほとんど使われなくなる.
とは言っても「大事なのは今だ!」と言われそうですので,その場合はとりあえず 120% に拡大して使ってみてください(これは意外と知らない人が多いみたい.付き合いのある何人かのSEさんも,フォントが汚いと思ってはいたが,拡大して使おうとは思わなかったらしい).
それにしても良い時代になりました.憧れの游明朝が Windows にも,MacOS にも搭載されて比較的自由に使えるんですですから!なお,この blog は使える場合は游明朝を使うように設定されています.游明朝の美しさの宣伝です.
PS. 拡大しているPCからリモートデスクトップを使う場合は,アプリ版の方を使うと幸せになれるかも知れません.