VMware vSphere Hypervisor 6.7 雑感と SR-IOV と DELL の Workstation についてです.
私の場合,日常遣いの仮想環境は Hyper-V なんですが,たまには他のものも使ってみるかなということで,少し古い DELL の Workstation T3600 に vSpere Hypervisor 6.7(以後 esxi-6.7 と書きます)を入れてみました.
前に使ったのが,esxi-5.5 の時代なんですが,
なんかえらい変わりましたねぇ…….最大の違いは,vSphere Client が無くなってしまった(不要な)ことでしょうか.管理が全部 Web ベース(たぶん HTML5 アプリ)になっています.
もちろん vCenter Server が Web ベースだというのは知ってますし,実際職場では使われていますが,まさか vSphere Client が完全に Web アプリに置き換わるとは思って無かった.
と言うことで,スクリーンショットを御紹介します(インストールは iso 落としてきて DVD に焼いて実行するだけなので省略).
VMware vSphere Hypervisor 6.7 管理画面
まずは,ログイン画面は冒頭の写真の通りです.とてもシンプルで,好印象です.
ログインして最初の画面は,
の通りで,サーバー全体の情報がとても分かり易く示されています.
仮想マシンの管理画面はも同様です.とても見易い.
まず,仮想マシン全体の様子を示す画面があり,その下に,
各仮想マシンの詳細を変更したり,状態を表示する画面が配置されています.そして,最後に,ストレージとネットワークの管理画面が続きます.
メニューとしてある項目はもちろん Hyper-V とほとんど変わらないのですが,どちらが分かり易いかと言われれば,esxi-6.7 の方です.
驚いたことに,仮想マシンの画面も,
のように Web アプリ化されています.
要するに,管理するのに必要なのは比較的新しめの Web ブラウザだけで,管理端末に余計なソフトを入れる必要は全くありません.
ただし,問題が全く無い訳じゃない.Web アプリだからでしょうか.
管理画面の動作がかなり緩慢です.要するに遅いんです!
これは VMWare も分かってるみたいで,仮想マシンの画面の表示アプリだけは「VMRC」と言うネイティブアプリが用意されています.
このネイティブアプリ,仮想マシン管理画面左上の「コンソール」メニューからダウンロードできるようになっており,実際に使うときは,同じ「コンソール」メニューから,
- リモート コンソールを起動
とやれば起動してきます.そのせいでしょうか.Windows のスタートメニューには登録されませんし,C:\Program Files (x86)\VMware\VMware Remote Console 以下にある実体ファイルをクリックしても Web からの起動を求められます.
正直,ここまで出来が良いと,個人的には,
予備マシンがあるんだったら,VMWare Player 入れるより,esxi を入れた方が良いなぁ……
って思います.
SR-IOV と PCI パススルー
さて,ここまでが esxi-6.7 の雑感なのですが,そもそも何で esxi を試そうと思ったのかと言うと,元々は,
- Hyper-V の最新版だと PCI のパススルーが出来るらしい(試してみよう).
- あれ,できない.VT-x にも VT-d にも対応しているのになぁ……
- esxi だとどうかな(esxi の方がパススルーに関しては老舗なので)?
と3段活用したからです.
Microsoft によると,Hyper-V の PCI パススルーは(DDA と言うらしい),VT-x, VT-d への対応の他に ACS ってのが要るらしいのですが,これに機器が対応しているのかしてないのかは調べても全く分からない.
色々 blog なんかを見てみると SR-IOV というのに対応してれば Hyper-V の PCI パススルーもできそうなんですが,これまた対応しているかしてないかが分かり難い.
色々調べてみて,ようやく分かったのは,
- DELL Workstation は今のところ SR-IOV には対応していない(DELL に限らず他社ものものも多くは対応してなさそう).
- SR-IOV への対応が要る場合は,Workstation ではなくて,比較的新しめの Server(DELL だと PowerEdge 系統)じゃないとダメ.
- そもそも,VT-d と SR-IOV ってのは違う機能で,
- VT-d は PCI 機器と仮想マシンを 1:1 で接続するもの
- SR-IOV は PCI 機器と仮想マシンを多対多で接続もの.必然的に,サーバーとPCI 機器双方の対応が必要
ってこと.
SR-IOV って,個人向けではなくて,完全にサーバー向けの機能で,だからWorkstation に搭載されてない訳ですね.納得です.
分かり易いのは,
https://www.iij.ad.jp/dev/tech/techweek/pdf/151113_1.pdf
の記事でしょう.
esxi-6.7 だとこの辺りハッキリわかります.PCI パススルーは,「ホスト」の「管理」の「ハードウェア」タブから設定するのですが,
私の所有する DELL の Workstation,T3600 だと SR-IOV は未対応とハッキリ表示されます.でも,きちんと PCI パススルーは設定できるし,実際,2枚ビデオカード(RX560)を積むと2枚ともきちんと仮想マシンから認識できますし,使えます.つまり,VT-d はきちんとできている訳ですね.
Microsoft の Hyper-V の場合,今のところ,この対応を調べることもできない(少なくとも私には調べ方が分からない)ということで,この辺りもう少しどうにかならないと,実際に使おうってことにはなかなかならないんじゃないかと思います.
と言うかですね……
Hyper-V の場合,PCI パススルーは ACS への対応が必要って,この ACS というのに対応してるかどうかはどうやって調べるんですかね…….そもそも SR-IOV と何が違うんですか?
どなたか識者の方,お教えください.
以上!