「クラウド時代のMicrosoft Officeの考え方 (2)」の続き.前投稿の結論を書いておくと,
Office 365 を契約すると,Microsoft は我々に(仮想的な)Office スペースを貸し出してくれると考えれば良い.
Microsoft の Office 貸し出しはあくまで仮想的,かつ安価なものなので,目的ごとにOfficeがあっても良い.というか,セキュリティとか,書類整理とか,予算管理とかどう考えても Office を使い分けた方が良い.
です.少なくとも最新の Windows と Windows 上で動く Office アプリはこの考え方で実際に設計されているように思います.で,さらに,個人的には
クラウド時代の Microsoft Office は,緊密に連携しながら同じ仕事を行う集団ごとに契約して使うべきものだと思う.と言うか,そろそろ添付ファイル付きの大量の電子メールを送るのは止めて,仕事ごとに異なるクラウドベースの Office を使うべきじゃないかと.
なぜ,そんな風に考えるのかを Microsoft Office と Windows の設計から解説してみようと思います.
まず,Office アプリから.
これはExcelの「ファイルを開く」ですが,見ての通り,デフォルトは,クラウド上の Office365 に付属する OneDrive for Business です.続いて OneDrive 個人,このPC,となっており,完全にクラウドファーストです.Office を変更する場合は,左下「アカウント」から「切り替え」か,「追加」を選べばよい.
ファイルの保存先等を間違いたくなければ,「切り替え」るべきで,なるほど,という設計になっています.
次に Windows 10 について.Windows 8 から,Windows へのログインは,Microsoft アカウントと紐づけされるようになりましたが,Windows 10 でも基本的には同様です.つまり,Microsoft は Windows という端末は,個人が利用すると考えている.そして当然これは,組織のものとは異なると考えている訳で,個人の端末で,これら様々なアカウントの切り替えを支援できるよう,Windows に複数のアカウント登録ができるように設計しています.
さて,ここで,Windows 10 に最初から搭載されている OneDrive 同期アプリケーションについて.
Windows 10 に最初から搭載されている OneDrive アプリは,Windowsに紐づけられた Microsoft アカウントに対応する OneDrive 保存領域とPCを自動同期させるアプリケーションなのですが,このアプリを使って,OneDrive for Business とPCを自動同期することは出来ません(Microsoft は改善すると言っている?ようですが,少なくとも今のところはできない.なお,OneDrive Business との同期は,専用の OneDrive for Business アプリが提供されています).(いつのまにかできるようになっていますね)
これは不便なのか,と言われれば,まあ不便なのですが,他方で,仕事関係のファイルを個人のPCに同期させる危険性を考えると,これはこれで納得をせざるを得ません.
特別な設定をしない限り,現在の Windows は Microsoft アカウントで使われます.つまり,端末は個人の所有です.「個人の所有物に,必ずしも個人のものとは言えない仕事のファイルを同期させるべきか」と言われると,「ダメだろ」と答えざるを得ないし,持ち運び前提のノートPCだと,「危なっかしいので止めとこう」です.「いや,仕事のものをクラウドなんかに保存できるか!」という考え方もありますが,まあ,この考え方は置いておきます.
この様に,Office 365 を導入し,素直に使うと,Office アプリで作ったファイルの保存先は基本 Office 365 に備わっている OneDrive for Business というクラウド上の保存領域になります.仕事の種類,もしくは相手ごとに Office を変えることにすれば,それぞれの Office の OneDrive に保存されているファイルは,その仕事に関係のあるものだけ.と,いうことは,Office は仕事を一緒に進める人と共有した方がどう考えても効率的です.
個人的には,クラウド時代の Microsoft Office は,緊密に連携しながら同じ仕事を行う集団ごとに契約して使うべきものだと思う.と言うか,そろそろ添付ファイル付きの大量の電子メールを送るのは止めて,仕事ごとに異なるクラウドベースの Office を使うべきじゃないかと思います(Office には内線電話が必要?確かに!だから,Skype for Business が Office 365 に有るわけですね).
さて,Microsoft Office だけで結構記事が続きますが,次は Windows 以外に注目してみようと思います.