DELL T3600 のビデオカードを交換するときの注意事項!です.
いつもの通り結論から記すと,本製品のビデオカードを交換する場合は,
ロープロファイルのもの
に交換するか,
金槌を用意(木槌でも可)!
して臨んでください.
ロープロファイルか金槌の理由
本製品,拡張性が高く,きちんと PCI-Express x 16 ありますし(それも2スロットもある),通常サイズのカードも使えることになっていますし,拡張カードのスロット数も多く,2スロットでも3スロット占有でも使えるように見えます.
しかし実際に通常サイズのカードを取り付けようとすると,
側面の蓋にある取っ手とビデオカードが干渉して蓋をしめられない!
可能性が高いです.
本製品,一応通常サイズのカードにも対応はしていますし,実際,通常サイズの NVIDIA Quadro K6000 採用のモデルもありますが,幅 111mm のカードを側面の取っ手で押さえつけ支える構造になっており,ほんの数ミリ広いだけで蓋が閉めにくく(閉まらなく)なってしまいますし,実際,最近のビデオカードだと幅が 115mm 以上あるのが普通みたいです.
それでも補助電源の必要のないモデルなら,取っ手部分に取り付けられている(恐らく)ウレタン部分をカッターなどを使って削ればなんとかなる可能性がありますが,補助電源が必要なもの,特にカード長が短いものは補助電源コネクターとこの取っ手が完全に干渉してしまい,絶対に蓋が閉められなくなります(補助電源を横に挿すタイプでない場合はこの限りではありませんが,最近のビデオカードではあまりみかけません).
と言うことで,結論は,最初に書いた通り,
ロープロファイルのカードにする
のが無難で,どうしても通常サイズの(補助電源ありの)カードが使いたければ,
金槌(もしくは木槌)で側面の蓋に溶接されている取っ手を強打して潰す!
しか無いです.なお,この解決策は DELL の Community サイトに実際投稿されていたもので,5ポンド(約2.5kg)の金槌を使えってアドバイスがありますし,実際かなり重めの大きなものじゃないとうまくいかないです.
電源について
もちろん電源についても注意が必要です.
DELL T3600 は Workstation と言うだけあって,かなり強力な電源が用意(635W)されてはいますが,通常のモデルだと 425W のものしか搭載されていませんので,最近の大型のビデオカードは消費電力大きすぎて使えないですし,実際,いまから10年前の PC に大型のビデオカード載せても他の部分が足を引っ張るので意味はないと思います.
また,本製品のビデオカード用の電源は 6pin が2本で,最近の 8pin の補助電源が必要なカードを使う場合は変換ケーブルが必要です.
あと,上の「蓋が閉まらない問題」のところでも書きましたが,補助電源があるとどうしても側面の蓋と干渉する可能性が高くなりますので,以下のようなコの字型の電源コネクタをあらかじめ用意(千円くらいです)しておいた方が良いです.
実際に交換してみた雑感
DELL Precision Workstation T3600,いまとなってはかなり古い(2012年発売)ですが,比較的ゆったりとした作りで拡張性もメインテナンス性も高いです.また,拡張スロットに PCI があり(PCI-Express じゃなくて PCI です),古い拡張用のカードを使い続けることが出来るのも良いところで,実際職場でもまだ何台かは転がっています.
今回はそのうち1台(電源は 425W で元々は Quadro T600 が付いていた)のビデオカードがかなり怪しい感じだったので,あまり何も考えず MSI GeForce GTX 1650 D6 AERO ITX OCV1
なるグラフィックボードを交換用に購入した(一応 Workstation ですし,後のことも考えると少し強いビデオカードくらいが良いかなと思った)のですが,実際に取り付ける段になってなぜか側面の蓋が閉まらないことに気がつき,かなり右往左往してしまいました.
しかし,交換後は24時間電源つけっぱなしですが,いまのところ全く問題なく動作していますし,騒音レベル等も全く変わりません.また,CUDA を使うような処理をさせると驚くほど速くなりました.実際,動画のエンコードなんかを試すとビックリするくらい速くなりました.
とは言え,今になってよくよく考えてみると,10年前のPC,しかも PCI のボードを延命させるために残してあるPCに GTX 1650 は少しもったいなかったかなと思います.取り外して使いまわせるものなのでまぁ良いんですけど,しかし,最近はデスクトップPC買わないのでなかなか使い回せるようなPC周りにないんですよねぇ…….
以上!